資材ニュース
銅事情
11月の価格は、中国経済に対する懸念やドル高によ り、前月末対比で58%の下落となった。序盤は中国経済 の回復に対する期待やドル安を背景に3日連続で上昇し、 9,600に迫った。しかし、ドナルド・トランプ氏の米大統領選勝利により、ドル高が急速に進んだ事や、中国政府による景気刺激策が市場の期待を下回った事などで大きく下落し、14日には8,800ドルを割り込んだ。その後は、ウク ライナとロシアを巡る地政学リスクの高まり、堅調なドル高などで一進一退となり、11月末のLME銅価格は8879ド ル、11月平均のLME銅価格は9,075ドルとなった。
11月のLME銅在庫量は、初日に26,000トン超と大幅に減少した。2週目にも2,000トン近く減少したが、その後は 週単位での大きな変動はなく、11月末のLME銅在庫量は、 270,725トンで、前月末対比マイナス98%となった。9月 以降、毎週減少が続いている。
11月の国内銅建値は、10月末からマイナス1万円の148 万円/トンでスタートし、6日にプラス3万円の151万円 /トン、11日にマイナス4万円の147万円/トン、13日に マイナス3万円の144万円/トン、18日にマイナス2万円 の142万円/トン、20日にプラス2万円の144万円/トン。 25日にマイナス3万円の141万円/トン、となり、11月平 均の銅建値は、144.8万円/トンだった。
直近6ヵ月の平均鋼建値は、2024年6月:158.4万円/トン 7月:1540万円/トン 8月: 136.5万円/トン 9月:136.7万 円/トン 10月:147.8万円/トン 11月:144.8万円/トン。
2024年12月の国内銅建値は、11月末からマイナス2万円の、139万円/トンでスタート。
電線市況
(一社)日本電線工業会は2024年10月の銅電線出荷量の 速報値をまとめ、対前年同月比3.0%増、前月比6.1%増の 5万6,800トンと発表した。需要部門別には、建設電販部 門2万7,600トン(前年同月比3.5%増、前月比14.1%増), 電機部門1万800トン(前年同月比0.5%増,前月比9.5% 増),自動車部門8,700トン(前年同月比28%減、前月比 4.1%増),電力部門4,100トン(前年同月比22%増,前月 比5.5%増),輸出部門1,000トン(前年同月比28.4%増,前月比63.6%減),通信部門700トン(前年同月比6.1%増,前月比7.4%増)、その他内需部門3,900トン(前年同月比 16.2%増,前月比1.9%増)となった。
出展:電設技術 2025年1月号