銅の市場動向
1月のLME銅相場は100ドル超の下落となった年明けから、中国の景気刺激策への期待や米中貿易協議の第一段階・合意署名を受け、昨年5月以来の6,300ドル台まで上昇し、上値を試す展開となったが、新型コロナウイルスによる肺炎の感染拡大のニュースが流れると、中国の銅需要は減退するとの懸念が広がった。
月末に向けては10営業日続落して下値を探る展開が続き、1月末のLME銅相場は5,621ドルまで下落した。1月平均のLME銅相場は6,076ドルとなり、月平均のLME銅相場は12月(6,070ドル)とほぼ変わらなかったが、月中の銅相場変動幅は700ドル近くとなり、大荒れな1カ月だった。
11月のLME銅在庫量は一時12万トン台まで減少したが、新型肺炎の感染拡大懸念が広がると銅在庫量も2日間で7万トン超増加し、1月末のLME銅在庫量は18万3,000トンとなった。11月の国内銅建値は、6日にマイナス2万円の70万円/トンでスタートし、9日にプラス1万円の71万円/トン、14日にプラス2万円の73万円/トン、22日にマイナス1万円の72万円/トン、24日にマイナス2万円の70万円/トン、28日にマイナス3万円の67万円/トンとなり、1月平均の銅建値は70.6万円/トンだった。
直近6カ月の平均銅建値は、(2019年8月:65.3万円/トン9月:65.8万円/トン10月:66.3万円/トン11月:68.1万円/トン12月:70.5万円/トン1月:70.6万円/トン)となり、2020年2月の国内銅建値はマイナス3万円の64万円/トンでスタートした。
電設技術 令和2年3月号から引用